ならくはどう生きるか

ならくの日々の日常と趣味と生き方について思いついたことを書きます。

第71回 落語『猫の茶碗』を、現代の世間話風にアレンジしてみた。(スタエフの台本のようなもの)

↑この放送の台本です。実際の音声と台本での違いも楽しんでいただけたらと思います。

 

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ねぇねぇ、ちょっと聞いて、物の価値がわからないって人生損してるよねーって話なんだけどさ、

 

俺の友達が古物商をやってて、そいつ、地方のフリーマーケットとか蚤の市で安く売られてる「実は価値のあるもの」、そういうのを見つけ出して安く仕入れて、価値のわかる人に高く売る。そして利益を出すって仕事してるんだけど、

ある地方に行ったときに、喫茶店に入って、コーヒー飲んで休憩してたんだけど、その喫茶店の端っこの方に、オーナーが飼っているんだろうけど、猫がキャットフードを食べてたんだって。

そいつ、かわいいなーってぼんやり見てたんだけど、その猫が食べてるキャットフードを入れてる茶碗が、なんか「絵高麗の梅鉢」っていう、すげぇ貴重な茶碗で、ざっと「30万」ぐらいになるんじゃないかってぐらいの茶碗なんだって

で、そいつ、「このオーナー、猫のエサ入れにしてるぐらいだから、価値知らないだろう」ってことで、この茶碗をどうにかして手に入れようと考えたのよ。

でもさ、いきなり「茶碗ゆずってくれ」って言うと、オーナーも「ひょっとしてこの茶碗なんか価値があるのか?」って気づかれちゃうから、オーナーに「この猫かわいいですねー、連れて帰りたいなー」「3万円で譲ってくれないか」って感じで交渉を始めたんだって。

「最近かわいがってた猫を亡くしちゃって、すっげぇ落ち込んでるんすよ。この猫、何となくうちの猫に似てるなぁ。」とか、自分がどれだけ猫が好きかをアピールして、なんとかオーナーと交渉したわけ。

そしたらオーナーから「これはブリーダーの友人から譲ってもらった猫で、愛着があるんだけど、あんたなら俺以上に愛してくれるかもしれねぇな。」って事で3万円で譲るという話でまとまったんだって。

そしたら今度俺の友達がオーナーに「もう一個お願いがあるんだけど、猫はご飯を食べるときの食器が変わると餌を食べなくなったりするから、今使ってる、その茶碗も一緒に譲ってくれよ」って頼んだのよ。

 

そしたら、オーナーが「これは割れ物ですし、奥にもう一個餌やりに使ってる木の皿があるからそちらを差し上げますよ」って言うわけ、

友達も目的は茶碗だから「いやいや、今の猫の食べっぷりを見たら絶対こっちの茶碗のがいいよ!」とか言ったんだけど、オーナーが「お客さんは知らないかもしれないけど、実はこの茶碗「絵高麗の梅鉢」って言って、価値のわかる人が見たら30万ぐらい

の値を付ける逸品なんだよ。だから譲るわけにはいかなくてねぇ」って言うわけ。

友達もさ、何だよ知ってたのか!!って思ったんだけど、もう猫を買う話はまとまってるから、何となく平静を装って「な、なんだそんな高い茶碗だったの、それならもらえないだろうけど、じゃあなんでそんな高い茶碗を猫の餌やりに使ってるんだよ?」

って聞いたらオーナーが「このお茶碗で餌をあげてると、ときおり猫を3万で譲ってくれっていうお客さんが現れるんですよ」って言うわけ。

 

友達はさ、やられたと思いながらももう仕方ないってことで、猫と一緒に車に乗って

帰ってきたんだけど、そいつのマンションペット不可なんだよ。で、俺のところにすぐ来てさ、この猫もらってくれよって置いてったわけ。

まぁ俺は猫好きだし、まぁいいよって言ってもらったんだけどさ、実際毛とかも切りそろえてなくて、あんまりきれいじゃなかったから、トリミングに行ったの。

 

そしてきれいになった猫を見たらさ、この猫、ノルウェージャン・フォレスト・キャットだったのよ。この猫ペットショップで30万ぐらいで売られてることもある、結構人気のある猫なの。

 

価値がわからないって損してるよねー

 

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落語『猫の茶碗』を現代の世間話風にアレンジしてみました。

素人のしゃべりですが、よかったら聴いてください。

 

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